一般的に「アパート」の方が「マンション」よりコストが安くなると思われていますが、それはなぜでしょうか。
設備や機能に明確な差があるのでしょうか。防音性や防犯性も大きく変わってくるのか等、その違いが実際はよくわからないという人も多いと思います。
今回はアパートとマンションにどのような違いがあるのか、またどちらかを選ぶにあたってポイントはどこになるのかをお伝えします。
「アパート」と「マンション」の違いとは？
「アパート」と「マンション」の違いを聞かれた時に明確に答えられる人は少ないと思います。
なんとなく、アパートの方が安く住めそうで、マンションの方がセキュリティ等もしっかりとしていて生活コストが高くなりそうというイメージくらいはあるかもしれません。
アパートとマンションの間にはどのような違いがあるのか？という問いに対して結論を述べますと、アパートとマンションを明確に区分けすることは出来ないと言えます。
不動産会社が建物を調べる際に閲覧する登記簿謄本には、建物の構造や階数、専有面積などの情報はあるのですが、「アパート」「マンション」の記載はないのです。
「アパート」「マンション」というのは呼称であって、どのような形態の物件を「アパート」「マンション」と定義するかは、それを扱う人や会社によるのです。
ですので、不動産の登記簿謄本には「鉄筋コンクリート造陸屋根10階建」のように建物の構造に関する記載はあるのですが、「アパート」や「マンション」といった情報は記載されていません。
アパートかマンションを分類するなら？
物件を取り扱っている業者の方々は、アパートやマンションという区分けをどのように行なっているのでしょうか。
不動産会社や賃貸のポータルサイトなどでは、それぞれの企業の社内規定に応じて、アパートとマンションが区別されます。
その際に判断基準となるのは、建物の構造や階数、建築材料であり、その社内規定は企業によって違います。
ですが、大きく分類すると鉄骨/鉄筋コンクリート/鉄骨鉄筋コンクリート等のケースでは『マンション』と呼称されて、木造/軽量鉄骨のケースでは『アパート』と見なされているようです。
ですが、上記の通り社内規定に差異があるため、ある企業ではマンションとみなされている物件が違うところではアパートなっていることもあります。
「アパート」と「マンション」って結局どちらが良い？
賃貸物件を探す際に、どんなポイントに注意してアパートに住むかマンションに住むかの判断をすれば良いのでしょうか。
それぞれのメリットに留意しながら、検討していきたいと思います。
その際にアパートとマンションの定義には厳密なものはないのですが、ここでは「木造や軽量鉄骨造の建物」を「アパート」、「鉄骨造や鉄筋コンクリート造などの高い強度の建物」を「マンション」と呼ぶことにします。
アパートは家賃等の生活コストを抑えたい人におすすめ
建物の強度に大きな違いがあるということもあってか、立地や築年数、間取り、広さなどが同等の物件で比べると、アパートはマンションより家賃が安いという傾向があります。
出来る限り初期費用や生活コストを抑えて安く住みたいという方はアパートを選ぶといいと思います。
マンションは静かな生活や防犯性、設備の充実性を重視する人におすすめ
多くの場合において、マンションはアパートと比較すると建物が大きいです。結果として、個人の存在がアパートほど認識されることもなく、静かに住むこともできます。防犯性の観点でも管理人がいたり、ロックが厳重なので高いセキュリティが保たれていると言えます。
また、分譲マンションが賃貸となっているケースでは、内装や設備、仕様が一般的な賃貸物件より優れたものとなっています。
お金に余裕がある場合は分譲タイプのマンション賃貸がオススメですが、分譲マンションですと転勤期間のみの貸し出しで「定期借家」となっているものがほとんどなので、住もうと考えている年数と分譲マンションの貸し出し期間がマッチするか確認して下さい。
防音性や防犯性は内見を通してチェックしましょう！
一般的に、防音性はアパートよりもマンションのほうが高いと考えられていると思います。
木造のアパートと鉄筋コンクリートの分譲マンションを比較すれば、それは明らかだと思います。とはいえ、マンションであっても隣の住人の生活音が気になる物件はあります。
アパートであっても防音性がかなり高い物件もありますので、マンションはアパートよりも防音性が高いと決めつけてはいけません。
防音性を特に気にする場合は、鉄筋コンクリート等の強固な作りのマンションで、リビング等の生活する上で長く滞在する部屋が隣り合っていない物件を選びましょう。
防犯性は、マンションであると多くのケースで施錠の方法がオートロックやダブルロックであることや、高層となっているためベランダ経由に進入はかなり難しいことを考えると、アパートよりもマンションの方が高いと言えます。
ですが、昨今はアパートでも防犯設備がマンション並みとなっていることもあります。築年数が経っていなかったり、より安い家賃で希望に合う物件に住みたいという場合は、防犯性の高いアパートを探すことも考えてみてください。
ニーズに合ったアパートやマンションを探しましょう
アパートとマンションの違いというのは、厳密に定義できませんが、上記のような傾向があるということは言えると思います。
アパートであっても、防音性や防犯性に新しい設備が導入されている優れたものもあるということも上で述べた通りです。
賃貸物件を選ぶ際は、始めに最低限叶えたい条件を絞るようにしましょう。その上で、アパートとマンションのどちらがより希望に合致するかを考えてみてください。
インターネットで調べていると検索結果も膨大で、はじめはアパートからマンション、マンションからアパートと、うまく決められないかもしれませんが、自分の判断軸をもって選んでみて下さい。
今回の記事では、アパートとマンションの違いに触れつつ、それぞれのメリットに関して説明してきました。アパートとマンションの大まかな違いを理解して、物件選びに役立てて下さい。
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