退去費用の平均額や規則を理解していただき、高額すぎて払うことに納得できないときはどう対処すればいいのかを説明していきます。
また、退去費用が高額になってしまっても受け入れなければならない事例を紹介しながら、高額な退去費用を払わないために気をつけるポイントや、大家さんの保証範囲についても解説します。
退去費用の相場は?
退去費用は、住んでいた期間、お部屋の状態、敷金の金額、もしくは契約書で決められたクリーニング代などによって決まります。
請求された退去費用が、平均額を大きく上回っているときは、大家さん、もしくは管理会社に聞いてみましょう。そもそも、支払う必要のない費用まで請求されていることもあるので注意してください。
間取り別の退去費用の平均額をまとめたので参考にしてみてください。
1R・1K 15,000円〜25,000円
1DK・2K 28,000円〜32,000円
1LDK・2DK 40,000円〜45,000円
2LDK・3DK 50,000円〜53,000円
3LDK・4DK 60,000円〜65,000円
4LDK・5DK〜 65,000円〜
参考:くらしのマーケット
事前に契約書で退去に関わるクリーニング特約がある場合、上記のハウスクリーニング相場より高いことが多いです。退去費用があまりにも高額となっていないかをしっかりと確認しましょう。
退去時に火災保険料はあるか確認
高額な退去費用を請求されている場合、本来返すべき費用である火災保険料の返金が加味されていないこともあります。
一般的に賃貸契約をしている場合は、ほぼ必ず火災保険に加入しています。
火災保険料は1年、もしくは2年分のお金を一括で支払うのですが、途中で退去するケースでは火災保険料は月割で返金されます。
賃貸管理会社の方も火災保険料の月割返金があることを知らないことも多いです。保険会社に連絡をしないと対処されないことも多いので、しっかりと確認してください。
高額な退去費用を支払わなければならないケースとは
お部屋の状態が悪く、修繕やクリーニングに大きな費用がかかる場合は、高額な退去費用が請求されても仕方がありません。
退去費用の高額請求も受け入れざるを得ない事例を記載していきます。
床のひどい傷
家具の配置変更等により、フローリングにひどい傷がついていると、高額な退去費用が請求されます。
フローリングのへこみは、築年数や使用しているフローリングの素材にもより、基本的には経年劣化となるので入居者に高額な退去費用を請求することにはできません。
家具等の粗大ごみが処分されていない
家具や家電等の粗大ごみがを処分できていないと、撤去費用を不動産会社が一時的に負担します。その結果高額な退去費用を請求されます。
自治体で回収してもらったり、リサイクルショップやフリマアプリで買い取ってもらう等、処分しておきましょう。
掃除不足による垢やカビ
掃除不足による垢やカビがあると、管理不足による入居者の責任が問われます。業者の作業費用が上乗せされ、退去費用が高額となります。
喫煙により壁紙などが黄ばんでいる
室内での喫煙により壁紙等の黄ばみや臭いがあると、業者による壁紙の張り替えや、室内の消臭が必要となり退去費用は高額となります。
禁煙となっている賃貸物件での喫煙は、退去費用がさらに高額になるので注意してください。
ペットによる臭いや汚損
ペットを飼っていると、お部屋の消臭代や引っかき傷や噛み傷等の修復代が必要となります。業者の作業が必要で退去費用が高額となります。
退去費用が高額とならないために
退去費用が高額とならないようにするためのポイントを説明します。
入居前の写真を撮っておく
入居前からあった傷や汚れ・破損箇所はしっかりと写真で残しましょう。退去費用を高額に請求された場合にしっかりと交渉ができます。
契約書をしっかりと確認
退去の際の原状回復費用についての振り分けなどは、国交省のガイドラインで提示されていますが、ガイドラインとは異なる条件が契約書に記載されていることもあります。契約の際は契約書をきちんとチェックし、不明な点は不動産会社に質問しておきましょう。
定期的な清掃をする
退去時にお部屋を大掃除するのではなく、キッチンや風呂場などの水回りを中心に定期的に掃除をしてください。そうでないと、高額な退去費用を請求されてしまいます。
ちょっとした汚損であれば、自分で修復しておくと退去費用を抑えることができます。
退去立ち会いには自分で参加する
退去時の不動産会社と立ち合いには必ず参加して、入居者側で負担する傷や汚れの範囲を明確にしてください。
お部屋の汚損が入居前からあったものなのか、入居期間にできたものなのかを自ら立ち合うことではっきりとさせて下さい。入居時の写真を参考にして責任範囲を明確にしましょう。
忙しく時間がとれないなどの理由で退去立ち合いに自分で行かないと、高額な退去費用を請求されてしまい、写真等もなければ議論にならずトラブルとなります。
見積書は必ず確認
退去費用の見積書を項目別に作ってもらい、内容をしっかりとチェックしてください。
不動産会社によっては、しっかりとした見積書を送らずに総額だけ記載された請求書を送付してくることがあります。
立ち合い時に決めた責任範囲を反映したうえで、見積書が作られているかをしっかりと確認しましょう。
書類にサインをすると合意したと考えられ、その後の退去費用の交渉は難しくなります。納得がいかない場合は絶対にサインをしないでください。
ガイドラインに沿った負担範囲かどうかをしっかりと把握しよう
入居者が負担する退去費用の範囲は、国土交通省の定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に詳しく記載されています。ガイドラインには下記のように負担範囲を定義しています。
◆入居者による故意・過失、注意義務違反など、通常の使用を超える汚れや破損は入居者負担
◆経年劣化や通常の使用による損耗などは、賃料に含まれている
経年劣化による壁紙の日焼けなどの普通に生活していても起こる自然な汚れは、大家さん側での負担範囲です。
明らかに経年劣化や自然損耗であるにもかかわらず、そのクリーニングや修復に高額な退去費用を請求された場合には、ガイドラインの内容を伝えながら大家さんに話をしましょう。
不当に高額な退去費用を請求された場合はどうすべきか
不動産会社から不当に高額な退去費用の見積もり金額を請求されたときの対応策を説明していきます。
①不動産会社と交渉
不動産会社のなかには、高額の退去費用を請求してくることもあります。退去費用の見積書とガイドラインを参考にしながら、納得できない場合は価格交渉しましょう。
その際、具体的に見積書の内容と原状回復のガイドラインの矛盾点を話しながら退去費用の減額交渉をするといいでしょう。
②消費者生活/国民生活センターに相談
不動産会社に退去費用の交渉をしても応じてもらえない場合には、消費者センターや国民生活センターに相談すると良いです。
退去費用の見積もりが高額なので相談させて欲しいと伝えれば、解決に向けて様々なアドバイスがもらえます。相談は無料でできます。
③民事調停の利用
消費者センターに相談しても、退去費用が高額のままであれば、民事調停を利用することもできます。
民事調停では、入居者と不動産会社の問題を解決するために裁判官や専門家がサポートしてくれます。
民事調停は、簡易裁判所にある申請書に内容を記入するだけでできます。裁判所を利用するとなると手続きが煩雑だったりお金もかかる印象もあると思いますが、民事調停は500~1,000円の手数料でできるので、是非検討ください。
④少額訴訟で裁判にする
費用はそれなりにかかりますが、上記の方法でトラブルが解決しない場合は少額訴訟で裁判を起こすこともできます。また、手間もそれなりにかかるので、よく検討してから実行にうつすことをおすすめします。
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