不動産会社の仲介手数料が無料となる賃貸物件とはどのような仕組みで運用されているのかを説明していきます。
不動産会社が仲介手数料を無料としている物件にデメリットはないのかということについてや、仲介手数料が無料となっていなくても値下げ交渉をすることで、費用を抑える手法を説明します。
仲介手数料が無料となるからくりとは？
仲介手数料を無料としている賃貸物件は、大きく二つの要因が考えられます。下記の要因を把握することで、仲介手数料が無料となっている物件が本当におトクな物件かどうかを判断してみて下さい。
1つめの理由は、あまり人気のない物件を契約してもらうために仲介手数料を無料にすることがあると思います。
例えば、駅からの距離がかなり離れている、建物の築年数が古く設備も老朽化している等の要因でなかなか契約に至らない物件は入居を促進するために仲介手数料を無料とするケースがあります。
仲介手数料が無料となっていると、引越しを考えている人にとってはかなりお得ですし、初期費用を抑えたい人にはうってつけとなります。初期費用をあまり出せない人にとってはかなり魅力的な物件となります。
仲介手数料が無料の場合、不動産会社は全く儲からないのでしょうか。もちろん、そんなことはありません。
こういった仲介手数料が無料となっているケースでは、不動産会社の利益である仲介手数料を入居者ではなく大家さんが支払うのです。大家さんが仲介手数料を支払うことで、入居者側の手数料が無料になるというカラクリがあるのです。
二つめは、不動産会社がその物件を所有しているケースです。
そもそも仲介手数料は、賃貸物件を所持している大家さんと入居希望者との間に代理店等の第３者が介入することで生まれる費用です。
ですので、不動産会社が賃貸物件の所有者となっているケースでは、仲介手数料は発生せず無料となることが多いです。
「仲介手数料が無料であること」を押し出している不動産会社は、自社でキープしている賃貸物件しか扱っていない場合もあります。
不動産会社で所有している物件のみの紹介では、色々な賃貸物件を選択肢とすることができません。仲介手数料は無料でも選べる物件が大きく減ってしまうのであれば、コストパフォーマンスの良い賃貸物件に出会えない等のデメリットもあると思います。
仲介手数料が無料となるということの裏には上記のようなケースがあるので、留意してください。
家賃等の他の費用がどうなっているか確認しましょう
仲介手数料が無料となっている賃貸物件は、家賃等の他のコストに気をつけて下さい。仲介手数料は無料となっていますが、家賃や礼金等の初期費用が高く設定されているケースもあります。
例えば「24時間セキュリティサービス」などの本来オプションであるものへの加入を入居条件として、収益化を図っている不動産会社もあります。
参考までに仲介手数料以外でかかる費用を下記します。
・消臭消毒費用
・インターネット通信費
・ケーブルテレビの料金
不動産会社は、こういったサービスへの加入を必須とすることで、仲介手数料を無料とするよりも収益が大きくなることもあります。
仲介手数料が無料となっていても、トータルで見たときに家賃や加入サービス等の費用が抑えられていないケースもあります。
ですので、最終的には入居に関わる初期費用やその後の家賃がいくらとなるかで考えましょう。仲介手数料が無料ではなくても、家賃やサービス料金を含めた費用を抑えられれば良いので、トータルコストで考えるようにしましょう。
仲介手数料は値引き交渉で安くできる
仲介手数料は、不動産会社と交渉することで、無料までは難しくても、安くできる可能性は高いです。
不動産業界は4月中旬～7月はお客さんが減る閑散期なので、契約を決めたい営業マンは仲介手数料の無料や減額の交渉を考えてくれます。仲介手数料を安くするために、ぜひ不動産会社の方に交渉してみてください。
仲介手数料無料以外の方法でもコストは抑えられる
賃貸契約のコストを低くする方法は、仲介手数料の無料だけではありません。コストを抑えられる他の方法を説明しますので、賃貸契約のコストを抑えてみてください。
①礼金無料の賃貸物件
初期費用のなかでも有名な「礼金」は、大家さんに払うお礼という位置付けで、入居者からすると安いに越したことはありません。
礼金の相場は大抵家賃1ヶ月分となっているので、仲介手数料が無料となっている賃貸物件を契約したのと同じ効果を受けられます。。
礼金は交渉が成功しやすく安くなりやすいと言われている初期費用です。初期費用を抑えたい場合は、仲介手数料を無料とするよりも礼金を無料としたり安くした方がいいと思います。
②フリーレント物件
フリーレントとは、名前の通り数ヶ月分の家賃を無料とする賃貸契約です。フリーレント物件は、初期費用として重くのしかかってくる日割り家賃や前払い家賃がかからず、無料となります。
ですが、フリーレント物件は、多くのケースで短期解約に関して違約金を設定しています。入居が短期間となりそうな場合は、フリーレント物件はやめましょう。
③家具家電付き物件
家具家電付きの物件は、家具や家電を新調するための初期コストを安くできます。結果として、移転に伴う初期費用が安くなります。
ですが、家具家電がインストールされている物件では家賃が高くなっていることが多いので、長期的には家具や家電を購入した方が費用を安くできることもあります。
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